事例9日常会話の能力が伸びなかったケース
対象:中国出身男子生徒(15歳)
- 子どもの状況
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- 4月に来日し、1か月半独学で日本語を勉強し、簡単な受け答えができる。
- 5月下旬、年齢相当の学年より1学年下の中学2年に編入。
- 支援計画
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- 目的:学校生活で必要な日本語力をつける。
- サポーター:日本人日本語指導者
- 内容:日本語での日本語指導
- 期間:6月~9月(2時間×週2回×7.5週=30時間)
- 方法:別室で、サポーターと学習(取り出し)
- 経過
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- 日本人サポーターが、別室で日本語による日本語指導を行った。
- クラスメイトとの会話力が高くなるよう会話を中心に指導を行った。
- 結果
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- 学習意欲が高い生徒なので、日本語能力の伸長を大いに期待したが、本人は会話力よりも文法を中心に日本語を学ぼうとする気持ちが強く、日本語の会話力が期待したほど上達しなかった。
- サポート終了後、日本語学習の継続と同世代の子どもとの会話の機会を増やすために、地域のボランティアが主宰している外国の子どもの日本語教室に通うことにした。
- クラスメイトより1歳年齢が上であることと本人の性格から、なかなかクラスメイトと共通の話題が見つけられず、日常会話が進まなかったようだ。
- ポイント
- 日本語の会話力を上達させるためには、同世代の子どもたちとの会話の場を設定することが大切。