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サポーター活動の事例

事例6高校進学の方針が定まったことで日本語学習に集中できたケース

対象:中国出身女子生徒(15歳)

子どもの状況
  • 4月に来日し中学3年に編入。
  • 編入当初は学習意欲が高かったが、日本語での学習が理解できないことや高校受験への焦りなどで、学習意欲をなくしている。
  • 日本語が話せないためクラスメイトとのコミュニケーションが希薄。
支援計画
  • 目的:学習意欲を回復させた後、日本語指導を行う。
  • サポーター:中国出身者
  • 内容:中国語を使っての日本語指導(取り出し)
  • 期間:10月~12月(2時間×週2回~3回、計48時間)
経過
  • 10月から11月にかけて、日本語学習より教科内容の理解を優先させたいという本人と学校の強い希望により、取り出しではなく中国出身サポーターが教室に入り込み、授業内容の通訳を行った。(16回32時間)
  • 取り出しによる日本語指導の方が、効率的に日本語の習得ができ結果的に早く自力で教科学習ができるようになることをコーディネーターがアドバイスしたが、なかなか理解が得られなかった。
  • 12月になり、外国人特別枠で受験するという受験方針が定まると、受験には日本語の習得が必須であると本人も理解し、日本語学習に真剣に取り組めるようになったため、同サポーターによる取り出しでの日本語指導が開始された。(8回16時間)
結果
  • 同性の同国出身サポーターが中国語で何でも話せる存在として心のよりどころになった。
  • 当該生徒は、中学3年生に編入し受験が迫る中、学習の遅れに気を取られるあまり日本語の習得に向き合うことができずにいたが、12月に受験の方針が決まり、合格するためには日本語学習が必要であると納得し、ようやく日本語学習に真剣に取り組む姿勢ができた。
振り返り
  • 高校入試に合格するためには、日本語学習を集中的に行う取り出しによる指導が重要であることを、本人に理解してもらうまで2か月かかった。
  • 最後の1か月は本人が納得して日本語指導の取り出しの授業を受けたので、日本語の習得が早かった。
  • サポーター派遣終了後、学習支援ボランティア制度やボランティアが運営する日本語教室を活用し、日本語の学習を継続した結果、希望の高校に入学することができた。
ポイント
母国で学習意欲も高く成績も優秀だった生徒が、言葉の壁にぶつかり学習意欲をなくすことが多々ある。本人が実現可能な目標を見つけ、日本語学習に意欲的に取り組むための動機づけを支援することが大切である。