事例4母語話者と日本語指導者の連携(小学生)でスムーズなサポートができたケース
対象:フィリピン出身女子児童(9歳)
- 子どもの状況
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- 12月、来日し年齢相当の小学3年に編入。
- 家庭内で日本語を話す環境はなく、日本語が全く話せない。
- 編入当初2週間は、毎日母親が付き添って授業に参加。午前中のみで帰宅。
- 支援計画
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- 目的:早期適応支援と日本語の初期指導
- サポーター:タガログ語が母語のフィリピン出身者及び日本人日本語指導者
- 期間・内容:1月(2時間×週2回×2=8時間)母語話者による早期適応支援
2月~3月(2時間×週2回×6.5=26時間)日本語指導者による日本語の初期指導 - 方法:サポーターと別室で学習(取り出し)
- 経過
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- 日本語が全くできないうえに、日本の学校にも慣れていないので、初めの8時間は、母語ができるフィリピン出身サポーターが心の安定を図るために寄り添い、母語を使って生活指導や簡単なあいさつ等の指導を行う。
- 2月上旬に実施した中間検証会で、当初の目標である心のケアは達成できたと判断し、計画どおり日本語指導に移行。
- 結果
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- 母語話者が初めに指導に入り子どもの不安や心配を取り除いたため、その後の日本語指導をスムーズに行うことができた。
- フィリピン出身サポーターが保護者の心配や要望を詳しく聞き取り学校と情報を共有したので、学校側も子どもや保護者の様子を的確に把握することができ、安心して指導に当ることができた。
- 結果として3か月の支援で、表情が見違えるように明るくなり、ゆっくり話せば日本語を聞き取り、受け答えができるようになった。
- ポイント
- 母語話者と日本語指導者の連携が効果的!