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サポーター活動の事例

事例5教員による早期の取り出し指導が成果をあげたケース

対象:中国出身男子生徒(14歳)

子どもの状況
  • お正月休みに日本に遊びに行くと言われ来日。しかし、中国に帰ることはなくそのまま中学1年生に編入。
  • 編入直後から、教員が日本語、国語、英語、数学の取り出し指導を実施したところ、約3か月で片言の日本語は聞いて話せ、部活動での人間関係も良好となる。
支援計画
  • 目的:母語で話すことによるストレスの発散、効率的な日本語指導
  • サポーター:中国出身者及び日本人日本語指導者
  • 期間・内容:4月(2時間×4回=8時間)中国出身サポーターによる母語での心のケア
    5月~7月(2時間×週2回×8=32時間)日本語指導者による日本語指導
  • 方法:別室でサポーターと学習(取り出し)
経過
  • 中国出身サポーターが月4回、別室で当該生徒から中国語で話を聞いた後、日本語指導を行った。
結果
  • 母親以外誰にも母語で心情を話せない状況で、大きなストレスを抱えている心配があったが、母語話者が心のケアに入ったことにより、ストレスの軽減につながった。
  • 学校側は、サポーターから当該生徒の心情を聞き取り、安心して指導に当たることができた。
  • 日本語指導者が体系的に日本語指導を行ったので、片言の日本語から文を組み立てて話ができるようになった。
振り返り
  • 教員による早期指導、母語話者の心のケア、日本語指導者の指導が、必要な時期に適切に行えたので、当該生徒は短期間で日本語を習得し、学校生活になじむことができた。
  • 当該生徒が突然の環境の変化にもめげず一生懸命努力していたことも、成果につながった。
  • 支援終了後の課題は、教員による取り出しの時間を徐々に減らしていき、通常学級で授業を受けられるようにすること。
ポイント
サポーターが入る前に教員が親身に取り出し指導をしたことで、子どもの心が安定し、本制度による支援が効果的に実施できたこともあって、早く学校になじむことができた。